大手メーカーは膨大な数の住宅建築をこなすために、それに見合った大勢の大工を雇っているのでしょうか?
実情は、下請けでそれぞれの地域の工務店に施工させている場合がほとんどです。
仮に、メーカーが自社の住宅性能や技術を売りにしていても、結局は最も肝心な構造部分の施工を下請け工務店に任せているわけです。
一大決心をして契約したマイホームが、責任のない、さらに技術の程度がわからない下請け大工に建てられてしまうのです。
上記の問題を指摘された時、大手メーカー側では、
① その地域ごとの下請け工務店に定期的な講習を受けさせています
② 当社の指定工務店だから安心です
③ 自社の現場監督が常に管理しています
という、3つの基本的な言い訳を用意しています。
では、それぞれの言い訳を論破しましょう。
① 直接施工に携わる現場大工全員を椅子に座らせ、講習を受けさせるなんてとても不可能です。あり得るのは施工要領書を工務店の社長に渡すくらいの事でしょう。社長が大工全員にしっかり伝えてくれればいいのですが…
② 指定工務店も本当は、自社で直接お客様から仕事が欲しいのです。でも仕事がないので、生活をするためにやむなく大手住宅メーカーの「指定工務店」という名札をつけた、下請け工務店になっているのです。下請けだと、メーカーに利益を吸い取られ、いつもぎりぎりのコストで仕事をこなさなければなりません。
この下請け工務店が、さらに自社の利益を出すために、手抜き工事・安値の材料への差し替えなどを行なうのは、今や日常茶飯事です。
③ 大手住宅メーカーの監督と言っても、実際は現場の事をあまり知らない若い監督が多いのが実状でしょう。施工を管理する技術もなく、ただ現場の進行状況によって、次に使う部品の段取りをするだけの能力しかありません。
しかも、常時10~30棟以上という信じられない数の現場を管理するため、仮に、30棟の現場管理をしていたとしたら、1日2棟の現場を回っても、半月に一回程度しか現場を見ることができないのです。
自分のマイホームを「しっかり管理してほしい」と祈っても無駄なのです。
そのような体質なのでトラブルが多く、建て主から不満が出てくるのは当然です。